【会議のルール】「Amazonのすごい会議」から読み解く理想的な会議とは?

ビジネスネタ

一般的なビジネスパーソンは約3万時間も会議に費やしていると言われます。しかし、何も決まらない会議、終了時間を過ぎても延長する会議、生産性が低い会議がいまでも当たり前に行われています。そこで、Amazonの会議を参考に、なぜAmazonの会議はいくつかのルールに基づいて行われているかを紐解いていきます。

| Amazonの会議

それではAmazonの会議がどのようなルールに基づいて行われているかを簡単にまとめてみます。これらのルールは、とても合理的に設計されています。その理由を含めて解説していきたいと思います。

資料はA4用紙1ページに収める
・箇条書き禁止、ナレ―ティブ( 背景、課題、対策、目標 )に記載する
3つのW(Whenいつ、Who誰が、What何を)を決めて終わる
会議は15分の沈黙から始まる
・妥協点を見出すことはしない
反論は必ず会議で行う
議事録は簡易的に済ませる(ホワイトボードの写真で充分)
・会議の適正人数は5人~8人
クイック&ダーティー(後から改善すればいい)
PDCAは1週間で回す

議題について

Amazonでは資料は A4用紙1ページに収めるとされており、そこには背景、課題、対策、目標を記載するとルール化されています。

【背景】議題の中心となる事柄に、直接的または間接的に関連する客観的な事実や事情
【課題】背景に対して、解決すべき問題や目的のこと
【対策】課題に対して、対応するための手段や手法のこと
【目標】課題解決に行き着くための目印となるもの(数値など)

そして、このA4用紙に記載されている内容の対策部分に対して、3つの(Whenいつ、Who誰が、What何を)を決めて終わるということがルール化されているのです。

資料は事前共有するか、読み込む時間を取る

そして、この資料に関しては事前共有できることが最も望ましいですが、事業のスピード感を考えると難しい場合も多いでしょう。そこで、Amazonが設けているのが会議の前の15分の沈黙時間です。この沈黙時間で、会議出席者が資料やアジェンダの内容について咀嚼して、質問や意見を考えます。そうすることで無駄な質問が減り、会議時間が長引くことを防ぐことができるからです。

会議の目的を共有する

会議には必ず目的が存在します。目的別の大枠で分けると3つの会議に分類できます。

❶共有する会議:
現状や今後の対策と目標を共有する会議

❷アイデアを出す会議:
対策や目標に対する具体的なアイデアを出し合う会議

❸決議する会議:
今後の対策や目標、3つのWを決める会議

実際には、❶の共有する会議であれば、対面で会議をする意味合いというのは大きくはありません。共有できればいいので、メールやSNS配信で事足りると思います。ただし、メールは送りっぱなしでは基本的に細部までは読まれないものであることも事実です。確実に共有しなければいけないものだとすればオンライン会議を開催してみてはいかがでしょうか?共有だけであれば、15分程度で終了できるはずです。

❷や❸のアイデア出しや決議する会議であれば、対面で会議を開催する価値が高くなります。参加者の疑問を明らかにしたり、独創的な発想を引き出す場でもあるからです。

会議の時間割を設定する

会議を対面で行うか、オンラインで行うかに関わらず、必ず決めておくべきなのは会議の時間割です。会議全体の終了時間を決めるのはもちろんのこと、議題ごとの所要時間まで定めておくことが大切になります。

| ファシリテーターが気を付けるべきこと

会議にはファシリテーターや議長を選出する必要がありますが、選出されたファシリテーターが気を付けるべき項目は、以下とおりです。

少数意見を尊重すること
一時不再議(一度決議した議題は再審議しない)を徹底する
反論は必ず会議内で行い、会議終了後は一切の反論を認めない
反対意見に対しては代案を求めること
一問一答を徹底し、逆質問は原則禁止とする

| 記録する

議事録は備忘の意味も含めて、必ず残すべきでしょう。録音して後から議事録におこしてもよいですが、ホワイトボードに記載しながら進行し、写真で共有するなどして進めたほうが手間はかからないと思います。

| 雑談は不要なのか?

思考のストレッチとして、雑談は重要な意味を持ちます。頭の良い人ほど雑談は時間の無駄と考えがちですが、雑談にも目的があるということも意識してみてはいかがでしょうか?

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