100席規模のレストランでは、月に平均で20万円相当の器(50アイテムほど)が割れるということをご存じでしょうか?
レストランの規模が大きくなればなるほど、業務要員としてスタッフの人数を増やす必要に迫られるため、器や料理に対する理想を求めることは難しくなります。
そのような課題解決のために、開発されたのが割れない洋食器「ARAS」です。
今回は、そんな次世代のサステナブルな洋食器をご紹介いたします。
【この記事の内容】
1.どんな会社が作っているの?
2.どんな想いで作っているの?
どんな会社が作っているの?
割れない洋食器「ARAS」を作っているのは、石川県加賀市の石川樹脂工業株式会社です。
1947年、戦後間もない時期に石川県加賀市山中温泉地域で作られていた質の高い漆器木型を輪島地方に販売するとこから始まりました。
時代の変化とニーズをとらえて、割れないお皿、欠けない箸など、新しい技術への挑戦を通じて時代の先端を走り続けてきました。
石川樹脂工業株式会社が展開する3つのブランドについてご紹介します。
プラキラは口当たりが柔らかく、オシャレな造形と豊富なからーバリエーションが特徴の1000回落としても割れ欠けない洋食器ブランドです。
|Plakiraの特徴|
❶1000回落としても割れ欠けなし、変色変形なし ※生涯破損保証付き
❷BPAフリー(人体への悪影響を及ぼす懸念がある化学物質を含まない)
❸耐熱温度100℃、耐冷温度-20℃
❹金沢の自社工場で開発・製造
ガラスと樹脂を掛け合わせた新素材を開発し、熟練した日本の職人の技術によって、表現が難しかったデザインを実現しました。環境に優しく、暮らしを豊かに彩るカタチを先進と伝統の技術が融合して生み出しました。
|ARASの特徴|
❶1000回落としても割れ欠けなし、変色変形なし ※生涯破損保証付き
❷BPAフリー(人体への悪影響を及ぼす懸念がある化学物質を含まない)
❸漂白剤、アルコール消毒、食洗器対応
❹口先を限りなく薄くしたスプーンが提供する食の新体験
❺金沢の自社工場で開発・製造
樹脂の見たことない表情や質感を生み出すサステナブルな新素材を開発し、シンプルで心地よく、暮らしを豊かにする道具をデザインしました。
|104Lab.の特徴|
❶プラスチックの再生材や木材を使用
❷1000回落としても割れ欠けなし、変色変形なし ※生涯破損保証付き
❸金沢の自社工場で開発・製造
どんな想いで作っているの?
陶磁器は独特のゆらぎや風格を持ち、食事の味わいを豊かにすることに一役を買ってきました。
しかし、陶磁器は一度焼成して素材を変質させると、割れて不要になったものは埋め立てゴミにするしかないという側面も併せ持っていました。
石川樹脂工業㈱は、「土に還らないゴミを生み出し続ける」という状況に対する強い問題意識と、使い捨ての概念を覆す商品で世の中に貢献したいという想いを持っていました。
ところが、割れない素材の代表格は樹脂素材───いわゆる、「プラスチック」であり、そこには無機質で使い捨てというイメージが常につきまとっていました。
そこで、工芸品のような自然な「ゆらぎ」を実現しながら、どんなに曲げても落としても割れないトライタン樹脂というリサイクル可能な新素材を使った商品の開発を決意しました。
度重なる試行錯誤の中で、プレートの表面に凹凸を設け、ソースのあるウェットな料理とドライな料理が共存できる、自然なムラのある成形条件を割り出すことに成功したのです。
使い終わったらごみになる一方的な消費から、循環型の生産、消費となる仕組みづくりを実現しているのです。