【後編】自力のマーケティング!!戦略はこれで9割完成!!マーケティングのPODとRTBとは?

戦略はこれで9割完成する

The strategy is 90% complete with this.

「マーケティングなんて自分たちには無縁だし、感性とセンスだけで何とかなる。」たしかに感性とセンスで特大ホームランが出ることもある。ただ、それだけに頼って凡打が続くこともあったりする。スポーツ競技において型の重要性が認識されているように、マーケティングにおいても型の重要性は存在する。差別化が難しい時代になったからこそ、なぜ正しい型が必要なのか。中小企業のブランディングマーケティング支援している現役ディレクターが解説する――。(後編/全2回)

POP:最低限満たさなければならないもの

POP( Point of parity )とは、該当する商品やサービスのカテゴリに備わっていて当たり前の性能、つまりベースラインとなる便益のことです。飲食店であれば、最低限の美味しさや店の清潔さ、接客態度などがこれにあたるでしょう。これがないと消費者がサービスから離反する理由になるので常に意識しておく必要があります。

POD:唯一無二の価値=独自性

POD(Point of difference)とは、その商品やサービスが持つ唯一無二の価値のことであり、独自性と言ったりします。次に独自性(POD)を生み出す3つの代表的な方法について解説していきます。

❶便益を突き詰める|
サイゼリヤは「美味しい料理をリーズナブルに」という便益を突き詰めています。食材の生産や輸入までを自社で管理し、中間マージンをかけないことで独自性を生み出しているわけです。

❷便益を再解釈する|
例えば風邪薬は、症状が起きたときに和らげる薬としての便益がまず挙げられます。予防という観点から再解釈すれば、「常備しておけば、いざというときにすぐ使える」という安心感や予防的使用が独自性になります。

❸便益を組み合わせる|
ニオイを取る除菌も、ニオイを防ぐ抗菌もできるなどの組み合わせが独自性になります。PODがあると、他社を選ばない理由になります。

RTB:便益を信じるに足る根拠はあるか?

RTB(Reason To Believe)は、便益を信じるに足る根拠という意味のマーケティング用語です。例えば、ファストフードを食べるとテンションが上がってくるというような情緒的な便益があるのは、脂っこくて濃い味がたまらなく美味しいという機能的な便益が信じるに足る根拠になっています。

 そして、美味しいという機能的な便益があるのは、保存料を使用せず牛肉そのものの味わいを楽しめる自慢のパティを使っているという商品特徴が信じるに足る根拠になっているという流れです。

 情緒的な便益だけで商品をブランディング化することもできなくはないですが、基本的には、RTBを商品特徴まで掘り下げて明確にしておくとよいでしょう