プレミアムソフトCREMIAの秀逸なマーケティング戦略と巨大な流通網、直営だけが道じゃない!!
圧倒的な販売店網で勝つ
Winning with an overwhelming dealer network
ラングドシャタイプのコーンが特徴の一つ上の上質感を持ったソフトクリームCREMIAをご存じですか?ソフトクリームのNISSEIが製造販売しているプレミアムソフトクリームなのですが、今回は、この商品の流通面での秀逸なマーケティング戦略についてリポートします―――。
日世株式会社は、1951年に日本で初めてソフトクリームを紹介した企業であり、ソフトクリームやコーン、フリーザーの製造販売、直営店舗の運営までを行っている大阪府に本社を置く企業です。売上高365億円(2022年12月期)/純利益43億4117万1000円(2023年12月期)。日本の製造業の純利益率は平均で3〜5%程度とされていますので、純利益率11.78%は、業界平均を大きく上回る高収益企業と言えるでしょう。
社名 | 日世株式会社 |
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設立 | 1947年5月20日 |
資本金 | 4億8,192万円 |
代表者 | 代表取締役社長 吉田 文治 |
従業員 | 769名(2023年12月末現在) |
事業内容 | ソフトクリームの関連資材(コーンカップ・ミックス・機械類)の製造販売、乳製品(ホイップクリーム)の製造販売、フルーツプレパレーション(フルーツ調整品)の製造販売、小型万能全自動充填機のレンタル、包装資材の仕入販売 |
取引銀行 | 三菱UFJ銀行 みずほ銀行 |
実はこのCREMIA(クレミア)ですが、ガチャガチャ専門店で買ったキーホルダーで認知され、最寄り駅のカフェで買えるという流通チャネル網の広さで購入まで至るという独特のエントリーポイントを持った商品なのです。このルートを日世自身が意図してつくったものかは分かりませんが、この事例のように、商品購入のエントリーポイントはどこになるか分かりません。マーケティングの4P(Product/製品、Price/価格、Place/流通、Promotion/プロモーション)は有名ですが、Placeの重要性に改めて気づかされる事例だと思います。
早速、CREMIAの販売店網を調べてみましたが、なんと直営店は1店舗のみ!全国で1,700店の販売店網(喫茶店、洋菓子店、道の駅、スーパー銭湯、ネットカフェ、ショッピングモール、サービスエリア、焼肉屋など)を築いているのです。直営だけが道じゃありません。ゴリゴリの人的営業の成果にアッパレです。
|日世の営業拠点
- 札幌)札幌市白石区流通センター5-3-30
- 仙台)仙台市宮城野区中野2-3-11
- 前橋)前橋市新前橋町9-9
- 名古屋)名古屋市西区児玉3-34-10
- 金沢)石川県金沢市藤江北2-310-103
- 高松)香川県高松市伏石町2128-1
- 広島)広島市西区南観音5-14-1
- 福岡)福岡市博多区東比恵2-22-1
日世の営業所は北海道から東北、関東、中部、関西(本社)、北陸、四国、中国、九州まで営業網を持っています。直営店にこだわることなく、自社商品を取り扱ってくれる営業拠点網と人的セールスが日世の強みの一つなのかもしれません。営業拠点網と人的セールスによる手厚いフォローアップが独自性や参入障壁となっている会社は実は多いんです。