【パパママ必見】1万時間の法則の4つの誤解。子どもを1流に育てる有効な方法はこれかもしれない

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親が子どもの能力に対して持つ4つの誤解を明らかにし、子どもを特定の分野で一流に育てる方法をフロリダ州立大学の研究結果を根拠にご紹介します。

1万時間の法則の論点について

世界中のトッププレーヤーたちを30年以上にわたって科学的に研究してきた、フロリダ州立大学の心理学教授であるアンダース・エリクソン氏は、トッププレーヤーになる要因についてある結論を出しました。

それは、体格などのいくつかの遺伝的な特徴は練習によって変えることはできないという一方で、技能に関する特性のほとんどは適切な訓練によって変えることができるというものでした。

このエリクソン氏らの研究結果をもとに、英国生まれの元新聞記者だったマルコム・グラッドウェル氏が『1万時間の法則』を提唱したのです。

1万時間の法則とは?

一流として成功するには、1万時間の練習が必要という理論のことです。

では、1万時間の練習をしさえすれば、一流になれるのでしょうか?

ここで、ミシガン州立大学の心理学者デイビッド・ザカリー・ハンブリック氏が「練習のみが上達の鍵か」という疑問を投げかけます。

デイビッド・ザカリー・ハンブリック氏は、エリクソン氏による音楽とチェスの名人の事例研究を見直し、一流の人が成功した要因のうち、練習が占める割合は3分の1程度にすぎないと結論づけました

これまでの練習時間を被験者たちに質問し、成功の要因のうち練習が占める割合は音楽で30%、チェスで34%にすぎないという結果を得たのです。

エリクソン氏はハンブリック氏の結論に対し、不適切な非熟練者のデータまで分析に使われていると反論し、一方でハンブリック氏は、最高レベルの数人のみを対象にしたエリクソン氏の手法は研究論文というより逸話集だと反撃しています。

このように研究者の間でも議論がなされている分野ではありますが、少なくとも子どもを特定の分野で一流に育てるためには、訓練が重要であることは間違いはなさそうです。

能力に関する間違った思い込み

誤解1:優れた技能は生まれ持った勘と、才能のおかげ

ここで、能力に関する間違った思い込みについて紹介します。

それは、「優れた技能は生まれ持った天性の才能のおかげである」という誤解です。

NBAのスリーポイントの名手にレイ・アレンという選手がいます。とある評論家が「彼の優れた技能は生まれ持った勘と、才能のおかげだ」と言いました。

それに対してアレンは「そのような発言が一番腹が立つ。僕と同じチームにいたことがある選手に、チームの中で最もシュート練習をしていたのは誰なのか聞いてごらん」と言ったといいます。

人は、他人の華やかな成功を見ると才能に恵まれたからだと思うのは、その裏にある継続的な練習の積み重ねまで見えていないからかもしれません。

誤解2:IQの低い子どもよりIQの高い子供のほうが優れている

たとえばチェスにおいて、IQスコアが高い子供は、ルールの学習や戦略の立案において優れているのは事実です。

ところが、IQスコアの優位性は、チェスを覚える初期段階でしか有効には働かないことを知っておく必要があります。

IQの高さは、初期段階では優位に働きますが、それは永続的に続くアドバンテージではないということなのです。

なぜならば、チェスマスターになった人間が総じてIQが高いかと言えばそうではないからです。

IQの低い子たちは、追いつくためにたくさん練習をします。たくさん練習をする習慣を身に付けた彼らは、それほど頑張らなければいけないプレッシャーを感じなかったIQの高い子供たちをやがて追い抜いていくのです。

長期的に勝利するのは、意欲を維持し続け、より多く練習した者だということは間違いないのです。

誤解3:ただ訓練し続けさえすれば一流になれる

一方で、「心から成功を念じ、訓練し続けさえすれば誰もが一流になれる」と思って、1万時間練習し続けるということも思い込みに違いありません。

目的を持たずに、ただやみくもに長時間練習していても一流になれないだろうことは想像がつくはずです。

理由は後述していきますが、結論を急ぎたい方のために記載しておくと、「ただやみくもに練習するのではなく、正しい練習を、充分な期間にわたって継続する」ことが重要になるのです。

誤解4:経験値があるほど能力が高い

また、経験値と能力が比例するという誤解もあります。

何かが「許容」できるパフォーマンスレベルに達し、自然にできるようになったると、そこから何年「練習」を続けても向上につながらないことが研究によって示されているのです。

ある程度できるようになってしまった能力は、改善に向けた正しい練習をしないと徐々に劣化していきます。

例えば、放射線診断医は、フィードバックを与えて能力向上につなげていく練習がほとんど行われていません。だから、経験値がある診断医ほど異常箇所を見つけ出す能力が高いかといえば、そうではないというのが実情なのです。

1万時間の法則を有効にする訓練方法とは?

たしかに、一流のプレーヤーは1万時間を超えるような猛烈な練習をしている人がほとんです。しかし、ただやみくもに練習をしていた訳ではないのです。

それでは、『1万時間の法則』の本当の意味とは、何でしょうか?それは、「正しい練習を、充分な期間にわたって継続する」ことなのです。

いくら充分な期間にわたって練習したとしても、”正しい練習”でなければだめです。それでは、”正しい練習”とはどのような練習なのかを見ていきたいと思います。

限界的練習とは?

まずは、新しいスキルを身につける際の一般的なプロセスをまとめておきます。

1.基本的な部分を他人に教わる
2.自分一人で練習できるレベルになる
3.レッスン、自主練のサイクル
4.誰とでも気軽に楽しめるようになる
5.技能の改善は頭うちになる
6.克服できない弱点がでてくる
7.弱点を意識的に練習することはない
8.なんとなく同じミスを繰り返す
9.そこそこできるから良しとする

そして、このプロセスから先が傑出したプレーヤーになれるかの分かれ道になります。この分かれ道以降は、分野を問わず例外なく同じ原理に基づいています。

それが、限界的練習です。

限界的練習には4原則があり、それは以下とおりです。

1.具体的目標(小さなステップ設定)がある
2.やるべき作業に全神経を集中して行う
3.自分自身、外部からのフィードバックがある
4.コンフォートゾーン(安全地帯)から飛び出す

この原理に則って「正しい訓練を、充分な期間にわたって継続すること」が重要になるのです。

何かを上達させようとすれば必ず壁にぶつかり、どうにも先に進めない気がするものです。

しかし、どんな分野においても絶対超えられない能力の限界に達したという明確なエビデンスが示されることは驚くほどまれなのです。

従来型の練習方法と限界的練習の違い

従来型の方法は、学習の目的は生まれつきの才能を引き出すことにあり、コンフォートゾーン(安全地帯)からそれほど踏み出さなくても、特定の技術や能力を身につけることは可能だという前提に立っています。

一方で、限界的練習の場合、目標は才能を引き出すことだけではなく、コンフォートゾーン(安全地帯)から外に踏み出し、それまでできなかったことをできるようにすることにあるのです。

それには、自分のコンフォートゾーンの外に踏み出し、脳や身体に適応を強いることが必要になります。

心的イメージとは?

心的イメージとは、傑出したパフォーマンスを出すのに必要な「瞬間のあるべき姿や、体の位置や動きを思い描くイメージ」のことです。

エキスパートは長年にわたる練習によって脳の神経回路が変わり、きわめて精緻な心的イメージが形成されています。

そして、この心的イメージは『限界的練習』によってより優れたものへと強化されていきます。そして、多くの分野でベストとそれ以外を分けているのは、心的イメージの質の違いにあるのです。

子どもの教育のために親がすべきこと

まずは時間と励ましの言葉を与える

まずは、何よりも子どもにたくさんの時間と励ましの言葉を与えることが大切です。そして、まずは親が成果にとことんこだわり、子どもに規律や努力や生産性の大切さを教えるのです。

先駆者の経験から学び、訓練方法を子供と一緒に考える

子どもがある特定の分野に興味を持ったら、最高のプレーヤーである先駆者の経験から学んでください。

とはいえ、何もいきなりコーチを雇う必要などありません。本やインターネットなどで語られているアドバイスを参考にするだけでも充分に効果があります。

彼らのパフォーマンスのどこがその他大勢と違うのかを見極めてください。それほどの成果を出すために何をしているかを突き止めてください。

これは必ずしも、スポーツに限ったことではありません。受験勉強や資格試験、就職試験でも、成果を出した人が何をしたかを明らかにするのです。

そして、同じことができるようになるための訓練方法を子どもと一緒に考えてください。

自分は成功すると信じる気持ちを持たせる

楽しくない練習を継続するために最も注目すべきなのは意思の力ではなく、子どもの意欲です。

意欲を維持するためには、自分は上達できると信じること、その分野でトップクラスになれると信じることが必要です。この自分を信じる気持ちは、まずは親からの励ましの言葉が最も力を持ちます。

続ける理由を強く、やめる理由を弱くする

意欲を維持する方法としては、続ける理由を強くするか、やめる理由を弱くするというものもあります。

続ける理由を強くするためには、同じ目標を持ったグループに加わわるチャンスを与えてあげたり、ターゲットを細分化して達成感を持たせてあげることも有効な手段になります。

一方で、やめる理由を弱くするためには、決まった練習時間を設けて他の仕事や注意散漫になるような要素をすべて排除することが有効な手段になるでしょう。

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