“弱者必勝の戦略”「ランチェスター戦略」を、ビジネスに活かす方法

ビジネス全般

「ランチェスター戦略ってなんなの?」

「ビジネスにどのように活かしたらいいの?」

そのようなビジネスパーソンの疑問を解決すべく、ランチェスター戦略の概要とビジネスでの活かし方について解説します。

ランチェスター戦略とは?

ランチェスター戦略とは、エンジニアであったフレデリック・ランチェスター(1868〜1946年)が、第1次世界大戦の際に、戦略空軍の必要を発表し、提唱した数理モデルのことです。

ランチェスターの第一法則

第一法則は、一騎打ちの法則とも呼ばれており、1人が1人と戦う一騎打ちをイメージしています。

同じ性能の武器を持った兵士が10人いる側と、20人いる側では、20人いる側は10人生き残り、10人いる側は全滅するというものです。

式にあらわすと以下のとおりです。

戦闘力=武器能力(質)× 兵力数(量)

ランチェスターの第二法則

第二法則は、集中効果の法則とも呼ばれ、1人で複数の相手を同時に攻撃できる、または集団が同時に複数の相手に攻撃できる確率戦をイメージしています。

戦闘機による空中戦において、A軍100機の戦闘機にB軍60機の戦闘機だとすると、A軍は80機残り、B軍は全滅するというものです。

式にあらわすと以下のとおりです。

戦闘力=武器能力(質)× 兵力数(量)²

どんな法則が導き出されるのか?

第一法則は、兵力数で劣る弱者にとって有効な戦略になります。

ポイントは、先ほどの例では“同じ性能の武器を使った場合”に戦闘員数の少ないほうが負けている、という点です。

これが、“B軍の武器能力がA軍よりも高い場合”になると、次のように変化します。

A軍 戦闘員5人 × 武器能力1 = 戦闘力 5

B軍 戦闘員3人 × 武器能力2 = 戦闘力 6

人数では負けていても、武器能力が勝っていれば勝つことができる

これが、第一法則が「弱者の戦略理論」といわれる理由です。

第二法則は、兵力数で勝る強者にとって有効な戦略になります。

戦闘員数の差がもたらす影響が大きいため、たとえ武器能力をあげても大軍であるA軍を相手にB軍が勝つのは困難になるからです。

A軍 戦闘員5人²(25) × 武器能力1 = 戦闘力 25

B軍 戦闘員3人²(9) × 武器能力2 = 戦闘力 18

ビジネスでどう活きるか?

ランチェスター戦略では、たとえ戦闘員数で劣っていても武器能力が高ければ弱者でも勝つ可能性があると考えます。

これをマーケティングに当てはめると、戦闘員数は企業規模や店舗数などの資本、武器能力は商品力やブランド力と捉えることができます

だからこそマーケティングで、自社の商品やサービスのより優れた価値を創造することが大切なのです。そして、市場を絞り、局所的でも認知度を高めていけば、中小企業やスタートアップ企業でも、その市場でのナンバーワンを狙えるというわけです。

マーケットシェア理論


シェア73.9%…独占市場シェア(上限目標値)
シェアを独占できているとされる上限値です。2位以下に脅かされる可能性は低いですが、異業種の参入や技術革新などで市場そのものの価値が下がる危険性があるため、絶対安定とはいい切れません。

シェア41.7%…相対的安定シェア(安定目標値)
首位独占を狙う多くの企業が目標とする数値です。このシェアを獲得できれば地位はかなり安定するといわれています。

シェア26.1%…市場影響シェア(下限目標値)
業界トップを取るために、最低でも獲得しておきたいといわれている数値です。これを下回ると1位であっても安定しない、境目の数値です。

シェア19.3%…並列的上位シェア(上位目標値)
弱者がまず狙っていく目標値がここになると考えられています。多くの市場では、これだけシェアを獲得できれば上位3位には入れるといわれています。ただし順位の入れ替わりが激しく、どの企業も安定的な地位を確立できていない状態です。

シェア10.9%…市場的認知シェア(影響目標値)
顧客や競合他社から認識されていることを示す目安数値です。ここを獲得できて、初めて市場争いに参戦できると考えられます。この目標値を下回っている場合は、顧客や競合他社からほとんど名を知られていない段階だといわれます。

シェア6.8%…市場的存在シェア(存在目標値)
市場に存在を認められていますが、市場に対しての影響力はほとんどありません。シェアが6.8%を切る時点で市場からの撤退を決断する企業もあるため、市場で生き残るためには最低限確保すべきシェアであるといわれます。

シェア2.8%…市場橋頭堡(きょうとうほ)シェア(拠点目標値)
市場参入への足掛かりができた状態で、市場内での競争に加わるのはまだこれからのフェーズです。新規参入の場合は、まずこの数値を目標にするのが一般的とされています。

検討すべき戦略

検討すべき戦略


1.地域戦略
地域戦略とは、営業地域を細分化して限定することで、シェアナンバーワンが取れる地域をつくることです。全国的には認知度は高くないけれど、特定の地域では絶大な認知度の高さを誇る。そんなポジションを築くには、地域特性やカルチャー、世帯数などをしっかり調査し、自社の商品・サービスとの親和性を検証したうえで、地域を絞り込んでいくことが重要になります。

2.流通戦略
流通戦略とは、販売チャネルをコントロールし、シェアを広げていくことです。例えばインターネット販売に特化する、BtoBに限定するなど、特定の流通に絞り込んで販売を行います。

3.営業戦略
営業戦略とは、営業チームの体制や営業方法、訪問頻度などを見直し、最適な体制を整えていくことです。営業の量や質の両方を見極めながら、営業全体をマネジメントしていきます。

4.市場参入戦略
市場参入戦略は、市場に参入するタイミングや開発する新製品などを検討する、経営やマーケティング分野における戦略です。狙いたい市場の現状や、そこにおける自社のポジション、投入する製品の強みなどを見極め、市場参入への準備を整えていきます。

参考文献

(著者)竹田陽一|(書名)ランチェスター弱者必勝の戦略|(出版社)サンマーク出版